Salesforceでリードを運用していると、

  • 商談化したはずのリードが一覧から見つからない
  • 「取引開始済み」で絞り込んでも出てこない
  • 取引開始後の元リードを確認したいが、どこを見ればいいかわからない

という場面があります。

これはデータが消えたわけではなく、リードを取引開始した後のSalesforce標準仕様によるものです。

Salesforceでは、評価済みのリードを取引開始すると、取引先・取引先責任者・商談へ変換して営業プロセスを進める仕組みになっています。

この記事では、取引開始済みリードの基本的な扱いと、どこで確認できるのか表示・編集したい場合に必要な権限を整理して解説します。

Salesforce管理者の方はもちろん、日々リードを扱う営業担当者やマーケティング担当者の方にも参考になる内容となっていますので、ぜひご覧ください。

リードの「取引開始済み」とは

Salesforceのリードには、その見込み客が今どの段階にいるかを表すリード状況があります。

そして、見込み客として管理していた相手が商談化する段階になると、リードの取引開始(コンバート)を行います。

▶一番右「取引開始済み」まで行くと”コンバート”

Salesforce公式ヘルプでも、リードを評価したら取引先責任者・取引先・商談へ変換する流れが案内されています。

この取引開始を実行すると、通常は次のようなレコードが作成または関連付けされます。

  • 取引先
  • 取引先責任者
  • 商談(作成する設定にした場合)

つまり、もともとリードとして管理していた情報が、その後の営業活動に使う正式なレコードへ引き継がれるイメージです。

▶リードはコンバートすることで3つのデータに分かれる

このとき元のリードレコード自体が即削除されるわけではありませんが、取引開始済みリードとして通常の検索対象から外れる挙動になります。

なぜ取引開始済みリードは見えなくなるのか

取引開始後に「元のリードが消えたように見える」のは、Salesforceの仕様です。

Salesforce公式ヘルプでは、取引開始後、システム管理者から「取引開始済みのリードを表示および編集」権限を付与されていない限り、リードレコードは検索できなくなると案内されています。

たとえば、Aさんというリードを取引開始した場合、Salesforce上では次のような状態になります。

  • リードとしてのAさんは「取引開始済みリード」になる
  • 取引先責任者としてAさんが作成される
  • 必要に応じて取引先や商談も作成される
▶取引開始済みにしたリードは「取引先責任者に変換されています」と表示(権限があるため参照可能)
▶同じ情報を引き継ぎ作成された取引先責任者

実務上は、取引開始後に日常的に触るのは取引先責任者側のAさんであることが多いため、元のリードが見えなくなると「消えた」と感じやすいです。

ただし実際には、通常UIで見えにくくなっているだけと理解すると整理しやすいです。

▶リードが取引先責任者になり表示が限定される

リストビューで「取引開始済み=TRUE」にしても出てこない理由

まず押さえておきたいのは、取引開始済みリードは通常のリストビューでは確認できないという点です。

ここは、現場で特につまずきやすいポイントです。

リードのリストビューで「取引開始済み = TRUE」の条件を入れれば、コンバート済みのリードが表示されそうに思えます。

しかし通常は、それでも表示されません。

理由は、取引開始済みリードが通常の検索や一覧表示の対象から外れているためです。

▶「取引開始済み=TRUE」の条件ではリストビューに表示されない

つまり、絞り込み条件が間違っているのではなく、その画面ではそもそも見えない仕様になっています。

この仕様を知らないと、「条件の組み方が悪いのかもしれない」「データが消えたのかもしれない」と誤解しやすいので注意が必要です。

取引開始済みリードはレポートなら確認できる

一方で、取引開始済みリードはリードレポート上で確認できます。

取引開始済みリードはまったく見られないわけではありません。

Salesforce公式ヘルプでも、リードレポートは取引開始済み・未取引開始の両方のリードを表示できると案内されています。

たとえば、次のような形でレポートを作ると確認しやすいです。

  • レポートタイプ:リード
  • 作成日:先月
  • グルーピング:リード状況

こうすることで、「取引開始済み」の件数や対象レコードを一覧で把握できます。

▶”取引開始済みリード”が確認可能

ちなみに、このようにレポートで表示した”取引開始済みリード”レコードをレポートから飛んで確認してみると、取引先責任者にコンバートされてるため「このリードはすでに○○の取引先責任者に変換されています。」と表示されます(権限を持つ場合)。

▶レポートから”取引開始済みリード”に飛んだ時の表示

また、Salesforceヘルプには、組織内の取引開始済みリード一覧を表示するには、標準のリードレポートを使うか、必要に応じてカスタムレポートタイプを作成するという案内もあります。

ヘルプでも、取引開始済みリードはレポートには表示される一方で、参照や編集には専用権限が関わることが示されています。

取引開始済みリードを表示・編集するには

取引開始済みリードを画面上で表示・編集したい場合は、「取引開始済みのリードを表示および編集」権限が必要です。

Salesforce公式ヘルプでも、Spring ’17以降はこの権限が必要と案内されています。

付与方法は、大きく2パターンです。

カスタムプロファイルの場合

カスタムプロファイルを使っている場合は、プロファイル側でこの権限を有効化します。

▶カスタムプロファイルの編集画面

標準プロファイルの場合

標準プロファイルでは、権限セットで「取引開始済みのリードを表示および編集」を付与する運用がわかりやすいです。

▶権限セットの一覧より確認可能

公式ヘルプでも、権限セットからアプリケーション権限を設定し、ユーザーへ割り当てる流れが案内されています。

取引開始済みリードを直接確認したい場合は、管理者に「取引開始済みのリードを表示および編集」権限の付与可否を確認しましょう。

特に、自社で標準プロファイルを利用している場合は、権限セットでの付与が必要になるケースが多いです。

実務ではどう扱うのがよいか

実務上は、取引開始済みリードを日常的に直接編集するケースは多くありません。

基本的には、次のように考えると整理しやすいです。

  • 取引開始前の見込み顧客管理
    → リード
  • 取引開始後の営業・顧客管理
    → 取引先、取引先責任者、商談
  • 過去分析や件数確認
    → リードレポート

つまり、普段の業務で見るべき中心は変換後のレコードであり、元の取引開始済みリードは必要なときだけレポートや権限付き表示で確認する、という整理です。

この考え方にしておくと、「見えないのは不具合ではなく、役割が変わっただけ」と理解しやすくなります。

まとめ

Salesforceでは、リードを取引開始すると、元のリードが完全に消えるわけではありません。

ただし、通常は検索やリストビューで見えなくなるため、初めて触ると「なくなった」と感じやすいです。

今回のポイントを整理すると、次のとおりです。

  • リードの取引開始により、取引先・取引先責任者・商談へ情報が引き継がれる
  • 取引開始済みリードは通常のリストビューや検索では見えない
  • ただし、リードレポートでは確認できる
  • 表示・編集には「取引開始済みのリードを表示および編集」権限が必要

「取引開始済みリードが見つからない」と感じたら、まずは“見えない仕様なのか、権限の問題なのか”を切り分けるところから始めるとスムーズです。

また、こうしたSalesforceの標準仕様は、知ってしまえばシンプルですが、最初は「なぜ見えないのか」「どこを確認すべきか」で迷いやすい部分でもあります。

Steadmarkでは、Salesforceの標準機能を踏まえた運用整理や、現場で迷いやすい権限設計・表示仕様の整理も支援しています。

「自社の運用だとどう考えるべきか知りたい」「似たような仕様で現場が混乱している」といった場合は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。